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ニコラ・ジョリーは、現オーナーであるニコラ・ジョリー氏が一代で名声を築き上げた、ロワールを代表するワイナリーの一つです。ニコラ氏は、ビジネスマンとしてその世界で順調に出世していたにも関わらず、1976年に自らの仕事を辞め、母が運営していたワイナリーを継いでワイン造りをスタートさせました。当初は他の生産者同様、ワインコンサルタントのアドバイスを受けて除草剤や化学肥料を使用していましたが、次第に畑に昆虫がいなくなり、土壌も明らかに変質しているのに気づいた彼は、1980年代初頭にルドルフ・シュタイナー氏が提唱するバイオダイナミック農法(ビオディナミ)を取り入れたブドウ栽培を実践し始めます。ビオディナミとは、別名生体力学農法とも言われ、化学的に合成された肥料・農薬・除草剤を一切使わない栽培に加え、天体の運行に合わせて自然物質を使った特別な調剤を用いて自然の潜在能力を引き出す農法のこと。1980年に部分的に、更に1984年からは全ての畑に導入を開始しました。取り入れた当初は、近隣の栽培家から冷やかしや非難を受けることもしばしばでしたが、畑が本来の力を取り戻し、豊かでエレガントなワインが出来るようになると、関心を示す生産者が続々と現れ、ブドウ栽培におけるビオディナミの先駆者的な存在になりました。かの有名なブルゴーニュの偉大な女神ラルー・ビーズ・ルロワ女史でさえ、彼に影響を受けていると言われるほどです。今でこそブルゴーニュ、ボルドーの一流生産者にも導入されるビオディナミですが、フランスで初めてビオディナミをワイン造りに取り入れ成功させたのはニコラ・ジョリー氏その人なのです。彼は、「おいしいワインである前に、その土地固有の繊細さを表現した本物のワインでなくてはならない。」というAOC法(原産地呼称統制法)の原点への回帰を提唱しています。2001年にはビオディナミの団体「Return to Terroir」を創立し、現在は12カ国、約150生産者がこの団体に所属。世界中で栽培者への啓蒙や講演活動を行っており、「ビオディナミの伝道師」と呼ばれています。また、ワイナリーでは牛や羊などを飼い、多くのハーブを育て、馬で耕作するなど、あらゆる自然環境とブドウ栽培を共生させていることが特徴です。2007年以降は、ニコラ氏の娘ヴィルジニー氏が中心となって栽培と醸造に携わっており、ニコラ氏らしい力強さは健在ながらも、彼女の繊細さが加わり、新たな世界観を楽しませてくれます。
こちらの「レ・ヴュー・クロ」の畑は、東向きの表土が深い区画で、平均樹齢20年の凝縮したシュナン・ブランが植えられています。ミネラルを感じる香り、力強い骨格が特徴的で、同時に密度の高い果実味により全体を丸みを帯びた印象に仕上げています。しっかりとした酒質を構築しながらも、非常に親しみやすいスタイルとなっています。
産地 フランス/ロワール地方/アンジュー・ソーミュール地区
品種 シュナン・ブラン 100%
色 白
容量 750ml
ヴィンテージ 2019
原語 Nicolas Joly Les Vieux Clos
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